アクセントの問題

もう一つ日本人の発音がネイティブに通じにくい理由のひとうにアクセントをあげることができます。アクセントといっても、いくつかの種類があります。これも日本語と英語とでは、大きく違います。

アクセントとは、簡単にいえば、言葉の強調されている「節目」にあたるものです。節目の種類と場所によって、通常その言葉のもつ意味が変わります。

ここでのアクセントとは、あの人はカリフォルニアのアクセントがあるという「訛り」と言った意味のアクセントのことではありません。

アクセントには大きく分けて強勢アクセントと高低アクセントの二つのアクセントがあります。

英語は強勢アクセントの言語で、日本語は高低アクセントの言語に分類されています。強勢アクセントとは、音節を強く読むか弱く読むかという強弱アクセント (stress accent)のことです。

例えば、subject という単語では、「題名」などの意味をもつ名詞の場合は最初の sub-を強く発音する。また、「服従する」という動詞の場合には-ject の方を強く発音する。

高低アクセント (pitch accent) とは語内の音の高低(ピッチ)の位置的な違いによって語の意味が区別されます。

例えば「はし」という単語では、標準語の場合「は」を高く発音すると、ごはんを食べる時の「箸」を意味します。つぎに、「し」を高く発音すると、「橋」を意味します。また、どこも高く発音しないと、「端」を意味します。

この説明だけでは、分かったような分からないようという感じだと思います。

では、強勢アクセントと高低アクセントでは決定的な違いは何のか?というと、それは「息」の強弱にあるんです。

アクセントのある音節は強く発音され、その結果多少長く発音されやすい一方アクセントのない音節は弱く短く発音される傾向があります。

日本語は高低のアクセントが重要な言葉です。

あめ
めあ
雨飴

といようにどこが強く発音され弱く発音されているがではなくて、どこが高く(音程)発音され、低く発音されているかを重視しているわけです。

私も含めて多くの日本人が生まれてから今まで、ずっと無意識に「どこが高いか?」に耳を澄ましてきたことになります。

そういう「高低を聞き取ろうとする耳」をもつ私たちが、突然どこも高くない英語を聞いたら、どうなるでしょうか?

「どこが高いか」と聞き耳を立てているのに対し、英語はどこの音も高くありません。

だから、実際に、英語が日本語より喋る速度が速い訳ではないにも関わらず、どこにも注目できないまま、あっという間に英語は通り過ぎてしまうため、「英語は速い!」と感じてしまうわけです。

おまけに日本人はただでさえ母音が多い日本語に聞きなれているのに、母音の少ない(音節の少ない)英語はより速く感じてしまうという現象が起こります。

私の妻も私が電話等で日本語を話していると、「なんで日本語はそんなに速いんだ!」と言う様なことをよく言います。

ポルトガル語も強勢アクセントを持つ言語に分類されるため、彼女も生まれながら音の強弱に耳を澄ます習慣が身についているため、おそらくそのように感じるのでしょう。

では、「英語は平坦」であるということを認識したうえで、英語を聞けば、それだけで英語の聞こえ方が変わるのか?と思ったかもしれません。

「では、どうすればいいんだ!」

と思った人もいるかもしれません。

正直なところ、これといった解決策はありません。市販されている発音矯正の教材等を使って正しい発音を身につけることと、ネイティブの発音をお手本に音読することが一番の近道です。

「自分が発音できない音は、聞き取ることができない」

という法則の逆を行けば良いわけです。

「自分が発音できる音もしくはリズムは、聞き取ることができる」

正しい発音で音読を訓練することにより、自分が強勢アクセントの英語を体が覚えていけば、聞き取りもできるようになるというわけです。英文にカタカナをふらないで下さい!

最後に英語の発音を勉強するに当たって一つだけお願いがあります。英語にカタカナのルビを振って勉強している人は、今すぐ止めてください。これをつづけるといつまでたっても発音は良くなりません。

英語の発音をカタカナで表記することは不可能です。では、ローマ字表記ではなくて、「聞こえた音をそのままカタカナで書き込むのはだめか?」と言われそうですが、それも駄目です!

例えば、メリケン粉ですが、実はこのメリケンというのはamerican からきているのは知っている人もいるかもしれません。

american という単語の実際の発音はa ではなくme にアクセントがあるため、「アメリカン」よりも「メリケン」の方が実際の発音に近いので、昔の人はamerican を「メリケン」と表記したわけです。

それでもamerican はamerican です。「メリケン」ではありません。もう一度言います。英語の音を100%カタカナで表記することはできません。

この商材では便宜上英語の音をカタカナで振っていますが、私の本意ではありません。仕方なく使っているだけです。

また上記のいずれかの教材を勉強していればわかってもらえると思いますが、英語の音を日本語で表記しようとすることは、DVD のソフトをVHS のビデオテーププレイヤーに入れてみようとするぐらい愚かなことです。

詳しくは、リスニングのところで触れたいと思います。

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