インプットの重要性

リスニングやリーディングがインプットなのに対し、ライティングやスピーキングはアウトプットする能力です。

インプット型の語彙のことを受容語彙(passive vocabulary) とアウトプットできる語彙のことを使用語彙(active vocabulary)ということは知っていましたか?受容語彙とは、聞いたり、読んだりするとわかる表現のことで、使用語彙とは、話したり、書いたりする時に使える表現を言います。受容語彙は使用語彙より多いのが普通です。

例えば、小学生の時に漢字のテストで読めるけど、書けないという経験はありませんか?また、薔薇・醤油・麒麟等の漢字は成人の99%の人は読めると思いますが、正確に書ける人となると、もしかすれば10%以下かもしれません。

私もワープロに慣れきっているので、当然のことながら書けません。漢字の例えのように母国語である日本語の場合にもあてはまりますが、外国語の場合はこの差が母国語より開いてしまうことが多いのです。

日本人の中には「英語は聞いたり、読んだりすることはかなりできるようになったのに話したり、書いたりしようと思うとなかなか出てこない。」という方がたくさんいます。

なぜでしょうか?

それは受容語彙を使用語彙に移行するための勉強をしていないからです。

アウトプットするためには、インプットつまり十分頭の中に様々な英語の文やフレーズが蓄積されていなければなりません。

ライティングであれば自分の頭の中で日本語から英語に訳す、すなわち単語を文法で組み立てる時間を取ることができますが、スピーキングの場合、そんなことをしていたら会話で置いてきぼりにされてしまいます。

英語でスピーキングするためにはなるべくたくさんの例文を脳にインプットして蓄積させておいて、その一部(単語、時制など)を入れ替えたり、多少変化させたりすることによって、自分のイメージどおりの内容を英語で再現できるようにならなければいけません。

英語を書くほうが話すことよりやさしいと思っている人は英文法を使って日本語から英語に訳して話したり、書いたりしている人です。英語を書くという作業ではなく、日本語の文を英文に訳すという作業をしているため、考える時間がとれる「書く」の方がとっさに話さなければならない「話す」よりも楽に感じるからです。

この日本文を英文に翻訳する作業はライティングの方法としては間違っています。というのも英語は正しい表現を覚えておいてそれを応用しながら書かなければいけないからです。
このことには納得して頂けたでしょうか?感覚的には理解してもらえたと思います。
それでは、実例を使って説明します。まだ話すことのできない赤ちゃんが母親の言っていることが理解できるのはなぜでしょうか?

答えは簡単です。聞いて理解すること(インプット)の方が、話すこと(アウトプット)よりも簡単だからです。その赤ん坊も3歳になればある程度話せるようになります。逆に言えば赤ん坊がある程度話せる(アウトプット)ようになるのには3年間もインプットし続けなければならなかったということも言えます。

この3年間の間この赤ん坊が両親、親戚等から英語を聞いた時間はとてつもない時間になっていると思います。1週間に50分のセミプライベートの授業を受けたぐらいでは到底このリスニング量をカバーできるわけがありません。

では、通学や通勤時間に英語を聞いて、自宅ではCNNを一日中掛けっぱなしにしておけば良いのか?もしあなたが赤ん坊であれば確かにそれでよかったかもしれません。ある程度聴覚や脳が発達してしまった状態では、それにあった言語習得法が必要になります。

というのも、大人と子供では言語習得能力の差があるからです。母国語が確立してしまった大人と比べ子供は言語を自然に吸収する能力がずっとすぐれています。

海外に転勤になった親は全然英語ができるようにならなかったのに、一緒に行った小学生の子供が2年後には英語がぺらぺらになっていたなどというのはこの言語吸収能力の差からくるものです。姪っ子は、日本で生まれて5歳まで日本で育っていました。保育園にも通っていたので日本語とポルトガル語の完璧なバイリンガルでしたが、ブラジルに帰国して1年経った後には日本語を全く話せなくなっていました。

その後、また日本に戻ることになり、すぐに日本語の小学校1年生として入学しました。日本に到着してから3ヵ月後ぐらいに電話したときには私が話す日本語を完全に理解したうえで、「です、ます」を使ってちゃんと日本語で返事することができるようになっていました。

大人となると、そう簡単にはいかないというのは想像に難くないでしょう。

ともかく、ここで言いたかったのはアウトプット以上にインプットが重要だということです。そしてインプットがある程度蓄積されるとアウトプットも自然に良くなるということです。

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